2009年12月16日水曜日

IT業界でも中抜きが始まってる

吉祥寺で、以前一緒に仕事していたSEさんたちと飲んだ。
若干仕事の話にもなったのだが、やはり最近は不景気のため、
仕事を取るだけでも大変で、取れたとしても単価の安い仕事ばかりで、
酷いときには無料で人員を入れているらしい(少なくとも経験を積めるので、無駄に遊ばせておくよりはよっぽどまし、というロジック)。

おもしろいと思ったのは、ユーザー企業の中には人員の分割発注をしているところも出てきているそうな。
今まで元請けベンダに一括発注していたのをやめて、元請けの子会社・協力会社に直接発注をかける方式を実施しているという事。
おそらくは中間マージンを省く事で経費削減を狙っていると思われるが、
やはりユーザー企業のニーズとしても、分割発注が求められているという事なのだ。

これはIT業界としても喜ぶべき流れだ。
不景気による収益悪化から、ユーザー企業としてもIT投資額を安く済ませたいわけだが、
これを今まで通りの一括発注でやろうとすると、
元請けベンダによる下請け叩きに繋がり、IT業界がますます疲弊する事になる。
分割発注にすれば、各開発会社は自分の利益を維持しつつ、
中間マージンが抜かれた分だけユーザー企業の負担額を減らす事も可能になるだろう。
ユーザー企業と開発会社の双方にとって美味しい話になる(今まで中間マージンを貪っていた大手ベンダにとってはたまった話ではないだろうが)。

ただ、分割発注になった場合、開発会社も質の転換を求められる事になる。
ユーザー企業と直接契約を結ぶ事になるため、提供するサービスを直接評価される事になるからだ。
そうなれば、技術・ノウハウの蓄積も無しに、単なる人転がししかやっていなかった開発会社は淘汰されるようになるだろう(まあ、そんなの開発会社とも呼べないと思うが)。

なんだか恐ろしい時代になるような気がするかもしれないが、
個人的にはそのように、エンドユーザーに直接評価される仕事の方がやりがいがあると思う。
自分の成果に対して厳しい事を言われてしまう事もあるだろうが、
逆に喜んでもらえている姿を目の当たりにしたり、
感謝のお言葉をいただく事だってできるのだから。

ただ、力が無くて淘汰される人たちが出てきてしまったとして、
それを見捨てるのも忍びない気がする。
開発者のスキル底上げのための教育事業とかが必要になってくるのかも。

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